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シューベルトって?

第1回|シューベルトの「アヴェ・マリア」って本当に美しい。。。。

4月5日(水戸芸術館)、4月7日(東京・春・音楽祭)に、クリストフ・プレガルディエンと渡邊順生によるシューベルト《白鳥の歌》が演奏されます。この数回の投稿では、このプログラムについて、皆さんと一緒に少しずつ紐解いていきたいと思います。まずは、シューベルトの曲の中でも、「誰もが一度は耳にしたことがある」一曲から。**《アヴェ・マリア》**です。

Ave Maria by Libera
Ave Maria, Op. 52 No. 6, D. 839
SCHUBERT – Ave Maria, Maria Callas | Best Classical Music ♫

リベラ、バーバラ・ボニー、マリア・カラス──どの演奏もピュアな美しさが心に響きます。その中で、個人的に最も驚かされたのはマリア・カラスでした。圧倒的な声量と演技力、どちらかといえば“迫力のある”声で世界を制した歌手が、このシューベルトでは、一点の曇りもない、純粋で静かな声を聴かせてくれます。

実はこの曲、もともとは「宗教曲」ではありません。スコットランドの詩人ウォルター・スコットの叙事詩『湖上の美人(The Lady of the Lake)』の中で語られる、一人の女性エレンが、父と自分の身に迫る危機の中、孤独に神へ助けを求める場面──その詩に、シューベルトが曲をつけた《エレンの歌 第3番》です。剣で戦う男たち。しかし物語の核心で語られるのは、極限状況で捧げられる、きわめて私的な祈りでした。シューベルトはここで、壮麗な宗教様式も、オペラ的な誇張も選びませんでした。限りなく個人的で、静かで、“祈らざるを得ない人間の声”をかきました。ここに、シューベルトが数多くの歌曲を作曲したその神髄があるように思います。この声は、《冬の旅》へ、そして《白鳥の歌》へとつながっていきます。

次回は、「《白鳥の歌》とは何なのか」について。

公演詳細・チケット購入はこちらから ⇒  水戸芸術館(4月5日) 東京・春・音楽祭(4月7日)

                     台湾公演 (4月12日、14日16日